思い出の一枚

お題「思い出の一枚」

 

ほんとに黒歴史

 

大学3年の夏から一つ上の先輩を好きになった。

おそらく傍からだけではなく先輩本人も私の好意には気がついていると思うくらい「先輩ごはん行きましょう!」「飲み連れてってください~」と、ことあるごとにせっついていた。オーケストラのサークルに入っていた私は演奏会にも来てもらったりしていた。

 

季節は移ろいで冬になり、クリスマスが近くなった。

 

「24日の週、どこか会えませんか?」

「24日、夜大丈夫だよ。」とLINEで返ってきた。

 

私が当時住んでいたのは山に囲まれた田舎町だったので電車に乗るには切符を買い、彼との待ち合わせ場所に向かう。普段待ち合せない駅へ向かうため、なんだかすごく緊張していたのは今でも覚えている。

 

向かった駅はほぼ無人駅で、まわりにカフェの一軒もない。

私はその前の日に家族が寝静まった頃に夜な夜な作ったクッキーを手渡し、寒い歩道橋で何だかんだと1時間近く話し込み、帰路に着いた。

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切符の4桁の数字の先頭と末尾が同じ数字で恋が叶うという占いがあったと思うが、その時買った切符はまさに先頭と末尾が同じ数字だったのだ。

 

今なら、「いや、切符で占いって・・・!」「そこまで必死でクッキー作るか?というか付き合ってもないのに手作りありなのか?」とか突っ込みどころは満載である。

いつ振り返っても自分でもちょっと、いやだいぶ恥ずかしくなる。

だけど、今になれば若干二十一の私が夢中になった恋ともなると少しほほえましくも羨ましく思える。

 

ちなみにその後彼から告白を受け、お付き合いをし今も変わらずお付き合いを・・・と言えれば完璧なストーリーだが、その彼とは私が大学在学中にお別れをしてしまっている。

 

就職を機に上京するときに荷物はだいぶ整理したけど、その切符は捨てられずまだ実家の引き出しにあるような気がするな・・・